リバーライト極フライパンは思ったほど凄いものでは無かった話。
どうもふっしーです。
僕は彼女と同棲する以前から自炊係を担当するという体だったので、キッチン用品について悩んでいました。料理の知識はまったくなかったのですが、適当に選んだものを使うのは気が引けてしまう性分。
「どうせだから良い道具を使いたひ…(´・_・`)」
というワケで調べに調べた結果…。
- 一生モノの道具
- 鉄製フライパン
- リバーライト極!!
と、勝利の方程式を導き出したと思っていたんです。
『鉄製フライパン おすすめ』とか検索すると必ずと言っていいほど現れるこの「極」さん。
「錆びないから初心者におすすめ」とか「料理がおいしくなる」とか「人気がある」etc…
良いことづくめが売り文句で、各所ではとにかく絶賛されているフライパンです。
値段は決して安いとはいえないレベルで、安物の銭失いを避けたい僕にとっても、この価格設定は一つの購入判断材料になっていた。
しかし…
・・・実際使ってみたら、そうでもなかった件。
リバーライト極japan 公式HPはこちら:http://www.riverlight.co.jp/ |
リバーライト極を一年使いました。良いところは「錆びにくい」
一番特徴的なところはやっぱり、窒化加工による「錆びにくさ」です。
そのため「手入れが簡単」で、木柄の軽さもあって「扱いやすさ」があります。
確かに軽いと取り回しが良くて使いやすいのですが、料理する場面ではこの軽さがデメリットでもありました。
リバーライト極フライパンの『板厚』が薄すぎた
キッチン道具とかフライパンについて、何の知識もまったく持ち合わせていなかった僕は、「板厚」なんてものは全然頭に無かったのです。
ですが、この鉄自体の厚みである「板厚」は、鉄フライパンで美味しく、尚且つかんたんに料理を仕上げるためにはとても重要な要素になります。
リバーライト極シリーズの一つであるフライパンは、板厚が『1.6mm』程度しかありません。
一般的に販売されている多くのフライパンは、厚みが1mm~5mmとありますので、極フライパンは板厚が少々薄い部類に属されます。
板厚の薄さにより失われる「蓄熱量」
加熱する料理が美味しく、かつ上手に仕上がる最適な温度は180℃と言われています。
しかし、熱したフライパンに冷めた食材を投入することで、フライパン自体の温度が急激に下がります。
その温度の下降をうまく防いでくれるのが、フライパンの『蓄熱量』に大きく依存します。
板厚が厚ければ厚いほど、原則として熱を蓄えられる量が多くなり、食材を入れても温度が下がりにくくなります。
そのため、180℃近くの温度維持がしやすく美味しく仕上がりやすいです。
蓄熱量の低さによる「こびりつきやすさ」
リバーライト極で料理すると、食材がこびり付きやすいと感じる場面が多いです。
これは、僕がその対策を怠っているから、というだけではありません。
やはり板厚の薄さによる、蓄熱量の低さにも大いに影響しています。
こびりつく原因としては少々複雑な要素が多々ありますが、ざっくり簡単に説明すると以下のようになります↓
【鉄フライパンがこびり付く原因】
|
これらのくっつきの原因となる要素を看破するには、80℃以上の高温を維持することが大切です。とにかく冷やさずたんぱく質を素早く固めるのがコツです。
タンパク質だけでなく、糖類など炭水化物やでんぷん質も焦げ付きやすいので、その塊とも言える焼きそばや麺類を炒めるとこびり付きやすいのはそのためです。
※【お好み焼きの焼き比べ】 |
リバーライト極フライパンでくっつく場合の対処方法
食材はたんぱく質量が多い【肉】【卵】類を前提とします。
以下の方法を行えば原則的にはくっつきません。
|
1と2は特に重要な方法です。もしも、上記の対策のいずれかをすっ飛ばして、鍋肌と完全に接触したまま食材が80℃以下まで冷えて加熱を行えば、ほとんどの場合はくっ付きます。
そもそも鉄フライパンを250℃まで熱するなら、Siセンサー付きコンロとの相性が悪いって話。
いま販売されているガスコンロやih調理器具には必ずと言っていいほど『Siセンサー(自動温度調節機能)』が付いています。僕の家のコンロもSiセンサー付きです。
この手のコンロの場合、170℃あたりまでフライパンを熱すると、自動で「ピピッ」となって弱火になるはずです。普通に使う分だと250℃まで達することは、まず無い。
金属表面の水分を取り除くため250℃まで加熱するには、いちいち『センサー解除スイッチ』を押さなければならないんです。これを毎回やるのは、結構めんどい。
そこから更に煙出るまで熱して油返しを行って…。う~ん、億劫ですなぁ。
で、リバーライトでは面倒くさいからってスイッチ解除せずに最初のセンサーの反応で食材入れると、大体こびり付いて後悔するんです。
板厚1.6mmでは、『中途半端な熱伝導率』によって加熱ムラが起きやすい
元より鉄という素材は熱伝導率はかなり悪いほうです。一般的に市販されている、アルミ製のテフロンパンなどと比較した場合では圧倒的にテフロンパンに敵わない。
物質の熱伝導率к [W/m・K]
【物質】 【温度[℃]】 【熱伝導熱】 銅 0 403 アルミニウム 0 236 鉄 0 83.5 引用元:熱伝導率/熱の伝わる速さ/
鉄とアルミでは熱伝導率は約3倍もの差があります。
鉄フライパンの板厚を薄くして、少しでも熱伝導を高めようとしたところで、結局は中途半端なのです。
そして”焼く”が主な調理面においては、この中途半端っぷりが特によろしくない傾向にあります。
後述するサイトでは、熱伝導率の高いアルミ製フライパンに加え、厚さ1mm~6mmの三種類の鉄フライパンで、ホットケーキを題材に焼き比べを行って実験している記事がありました。
先に答えを言ってしまえば、焼きムラがもっとも少ないのは熱伝導率が極端に高いか低いかのどちらかです。残念ながら板厚1~2mmではそのどちらにも属さない半端なレベルになります。
以下のリンクはとてもタメになる記事なので、ぜひリンク先を拝見してみることをお勧めいたします。
板厚1.6mmの鉄フライパンに適した料理ってなんだろう?
料理には様々な調理法があるのはご存知のとおりですが、多くの場合その調理法によってフライパンを使い分けます。
例えば「焼く」「炒める」「揚げる」「煮込む」「蒸す」など、パッと思いつくだけでこれほどの調理法があります。
ただ、結論から言ってオーソドックスな鉄のフライパンはどれも最適とは言えない気がします。
「焼く」「揚げる」は焼きムラが少なく蓄熱の高い、厚めの鋳鉄のフライパンが最適解です。※揚げ物は専用の天ぷら鍋もアリです。
そして「煮込む」「蒸す」は深さが合って具材が溢れにくい炒め鍋、中華鍋タイプが万能に使えます。
リバーライト社は炒め鍋を起点に蒸し鍋セットも販売しています。「炒める」のも当然これがやりやすいです。
では、はたして薄い極フライパンの立ち位置はどこにあるのでしょう。
多くは「軽いから手軽に炒めるのに使える」と聞きます。まぁそれも炒め鍋でいい気がしますが…。
結論。リバーライト極フライパンは何をとっても中途半端!
さて長くなりましたが、一つ弁解しておくと僕はリバーライトの製品自体が悪いという事を伝えたいわけではありません。
リバーライトの「他の」製品自体はとても良いものだと思いますし、現に僕は同社のほか製品である炒め鍋を愛用しています。こちらのほうが具材がこぼれ難く、深さもあるため炒めるだけでなく煮物や茹で物など万能に活用できます。

ただ残念ながら、用途ごとにフライパンを変えて使ってる僕にとって極フライパンは扱いきれず、ただただ中途半端な製品だと思いました。なにより値段も高いし、どのサイトも誇大広告な印象を見受けられます。
鉄パンが重いならテフロンパンを使えば良いですし、”焼く”用途で失敗なく美味しく作りたいなら重たい鋳鉄フライパンが良いです。
要するに極フライパンは『錆びにくい』以上の特別な性能は無く、調理面においては他の安価な鉄フライパンと同等というように感じました。
極フライパンの購入に悩み、これを見た皆さんはなるべく後悔のない買い物をして頂きたいと思います。
それでは!
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません